黒曜石製石器のメタボ対策 [今迄の事]

 失敗を重ねながら、自分流の石器作りを続けていたが、どう工夫しても、厚くてコロンとした尖頭器や石鏃しか作れないという壁にぶつかた。今でいう「メタボ」である。メタボの解消法、つまり、薄く加工する方法を文献などを調べても解決の糸口が見つからなかった。

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<作り始めたころの尖頭器>

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<平面の形はある程度作る事が出来た>
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<横から見ると、やはりメタボ>

 02年、岩宿文化資料館の企画展「最古の磨製石器」を見学した時、友の会活動の一つに「石器作りサークル」があり、第3日曜に開かれていることを知った。

 すぐにでも参加したかったが、仕事やその他の関係で都合がつかず、1年後「リタイア」した事をきっかけに、友の会の、石器作りサークルに参加した。
 会の人達に会うまでは、雰囲気がわからず心配の部分もあったが、よそ者扱いをせず、皆さんフレンドリーで暖かく迎えてくれた。

 石器作りは、人の頭ほどの黒曜石から、石器の素材を取る、荒割の作業から始まり、大きな原石を、見事に割り取る作業を目にして感動した。

 どれでも好きな剥片を選んでいいよと言われ、皆と一緒に、割り取った剥片をバンバン敲とき始めた所へ、石器作りの指導に、T・M先生がおみえになり、尖頭器を作りながら要点の説明をして頂いたあと、友の会の石器作りが再開された。

 少し離れた場所で石器作りを続けて居られた先生が、自己流でヤミクモ、バンバン敲いている、新顔の私を見ておられ、「あなたは、今何をしようとしたか、何も考えず無闇に敲いても石器は出来ない。」と次の6項目を繰り返すことが重要であると丁寧に説明していただいた。

それは、
①希望する形を頭に描く。 : 完成図
②加工のプランを立てる。 : どこからどのように剥ぎぎ取るか、手順と量を決める。
③打面を調整する。 : プランが成立する打面を用意する(作る)。
④加工する。 : 工具を選択し、打撃の方向と強さを考えて敲く。
⑤結果を観察する。 : 成功した理由、失敗した理由を考える。
⑥再度加工する。 : 反省点を生かして②に戻る。
であったが、レベルが高すぎ、色々工夫して敲いてみたがその日は全く理解できなかった。

 その後、指摘された事項を意識しながら加工した結果、行き詰っていた剥離技術が、少しづつ前進し、【目的→プラン→実施→観察→反省→対策】 の重要性を今でも感じながら敲いている。

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なっぱー

私も石器を作っています。
芋虫のような石器ばかり作っています。

石器のブログに出会えて大変うれしく思います。



by なっぱー (2012-02-21 20:49) 

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