打製石鏃と石鏃 [考古雑感]

「縄文土器作り教室」参加をきっかけに、博物館めぐりを始めたころ。石器の種類として、[局部磨製石鏃]・[磨製石鏃]・[石匙]・[石錐]などとキャプションに、書かれていたが、なぜか「石鏃」だけ[打製石鏃]と[打製]が付いており、不思議に思い調べたことがある。

局部磨製と磨製.jpg
<左が局部磨製石鏃(きょくぶませいせきぞく・右は、時代が異なる、磨製石鏃(ませいせきぞく)>

石匙と石錐.jpg
<左が石匙(せきひ)・右が石錐(せきすい)>

DSCF3099 (800x600).jpg
<打製石鏃(だせいせきぞく)>

 広辞苑を開くと、「打製石器」とは、打って作った石器。磨製石鏃とは、砥石で仕上げられた石鏃とある。また、他の辞書には、打製とは磨製の対語で、同じ機能をもった石器の製作方法の相違をはっきりと区分するため、たとえば打製石鏃・磨製石鏃などというかたちでも使用されるとあった。
つまり、仕上げの方法によって、分類するとされており、石鏃は敲いて作るものであると覚えた。

 その後、石鏃作りを体験して、「打つ」ではなく、「押し剥ぎ」でなければ作る事が極めて難しいことがわかった。
 石鏃を、仕上げの方法によって分類するとすれば、「押圧石鏃」とするのが正しいのではないか。いや、ほとんどの石鏃は、押圧剥離で仕上げられていることから、「押圧」も取り、「石鏃」とは、押圧剥離で仕上げられたものであるとした方が合理的ではないかと、素人ながら考えた。

 なお、専門家にこの理由を問えば、「ダ・セ・イ」だよと言われそうでまだ聞いていない。

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