下呂石で尖頭器を作る(2) [石器作り]

下呂石は、99年に初めて敲いたが、その時に作った石器(?)や剥片と、今年(11)作った石器や剥片と比較して、石を割る原理と「石目」を乗り越えて剥離するテクニックを会得する事の重要性を改めて感じた。

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左が今年(11)、右が99年に作った物を並べた写真、左が厚さ1㎝、右が厚さ1.3㎝である。

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上の列が99年に加工した下呂石の剥片3枚。下の列が今年(11)に加工した下呂石の剥片3枚。

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上列の99年の剥片のアップ、大きく剥ぐ方法がわからないまま敲いた、偶然大きな剥片が取れたもの。打撃部が潰れバルブが見えない。

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下列の今年(11)の剥片、大きく剥ぐ方法が少しわかり、小さなバルブで大きな剥片が取れた。

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下呂石を、初めて敲いた99年の石器。剥片剥離の知恵と、石目を全く知らず敲いた結果、「コロン」したものしかできなかった。今見ると、加工ではなく、石を壊したに近い。

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今年(11)作った尖頭器と加工途中の物(中央)。ステップの発生も見られるが、一応剥離されている。


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左の上下が下呂石、右の上下が黒曜石。上が99年、下が今年(11)加工した物である。


神子柴遺跡の尖頭器は、石材として、下呂石・黒曜石・メノウ・玉髄など用いられている。石材によって性質が異なるため、石材ごとの加工の知識が必要となる。

 黒曜石は、ガラス質で石目がないことから、石器加工の原理原則通りに割れ、石器加工の基礎を会得する石材として最も適しており、他の石材を加工する場合も、基礎技術として応用できる。
 メノウと玉髄は加工の経験が無くわからないが、下呂石は、「石目」という大きな難問があり、黒曜石の加工技術に加えて、「石目」を乗り越える技術がないと上手に加工できない。
 そこで、下呂石の加工技術を会得しようと、初めから下呂石を敲いても、「原石が悪いのか」、「道具が悪いのか」、『たたき方が悪いのか』などの判断ができず、石屑の山、砕石工場と化す可能性が高い。 まず、黒曜石で石器加工の原理原則を知ってから、下呂石を加工する方が近道であると思う。

次は、下呂石で尖頭器を作る(3)として、下呂石製の尖頭器が薄く長く作れる理由と「石目」の関係についての仮説をまとめたい。

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