家庭菜園の土器片 [考古雑感]

 霜柱ができる、寒い日が続いているが、ジャガイモやネギを植え付ける時期が来ており、家庭菜園を耕したところ、石と少し感触のちがうものに当たり、水洗いしてみるとそれは縄文土器の小片であった。なお、この畑は、「頭無」(かしらなし)という遺跡を調査した後、圃場整備された場所である。

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<土器片の文様>
土器片は、幅44㎜×高さ32㎜×厚さ12㎜、沈線の幅は4㎜で極めて丁寧に仕上げてある。

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 <土器片の断面>

土器片の断面から元の土器を想像してみた。文様の面と裏面から胴部であると推測され、断面の曲線から、直径50㎝の土大型器になりそうである。

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<想像した、平行沈線のある、縄文中期の曽利式の大型土器>

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<沈線のアップ。かなり雑な仕上げである。>

 
 小さな土器片から、「元の土器はどうだったろうか」、「縄文工人はどんな思いで作ったろうか」と素人ながら、想像して楽しめるのは、「縄文土器作り教室」で考古学に基づいた土器作りをしろと、徹底的に「刷り込んで」くれた、学芸員のおかげであると感謝している。

 ちなみに、学芸員に、この土器片から、元の土器を想像するとどうなりますかと問うと、「こんな小さな土器片でわかるはずは無い」と言われそうである。 確かに、大きな土器は、平行沈線の幅が広く、しかも、きれいに仕上げていないものが多こと。土器の多くは歪んでおり、曲線から想像する大きさより小さい可能性もあり、素人しか出来ない結論のような気もする。

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