黒曜石・下呂石・サヌカイトと「石目」(4) [石器作り]
サヌカイトの加工は、2001年、二上山博物館を見学した時に買った、剥片二枚と、今回、サヌカイトと下呂石の「石目」の比較を目的に入手した、四国の原石の2回と少ない。石器の素材としての販売が無く、手に入りにくかったことが大きな理由である。同じ産地の原石でも性質が異なる場合が多く、2個や3個で結論めいた事は言えないが、これまでに気づいたことをまとめてみた。
上の写真は、今回入手した四国のサヌカイトで、見えている面は、一部、剥離され、裏面も石目にそって割り取られており、はじめから石目がわかっている原石である。
入手した原石を大切に使うため、タガネを用いて、2枚に割る事ことにした。実は、タガネで敲くとどうなるかは、同じ条件で原石はどのように割れるかを見るため、変形の少ない工具として鋼鉄製のタガネと鉄のハンマーを使って実験している。黒曜石をこの方法で敲くと、タガネで敲いた箇所にヘルツの円錐が連続して出来ただけで、二つに割る事はできなかった。下呂石は、黒曜石より衝撃に弱く割れやすいため、剥片は取れたが大きく割ることは出来なかった。しかも、内部に亀裂が入り、後の剥離加工でその亀裂から破壊したという苦い経験があり、不安な部分はあった。
物は試しと、タガネを中央部に当て、石目の面に対して平行に、少しつ強めに敲いたところ、一発で、ものの見事に割れ、サヌカイトの石目の働きに感動した。
サヌカイトは表面に、冷えて固まる時にできた円形の窪みが、石目の方向に細長く潰れている事でわかるくらいで、破断面には全く見えず、水を着けても表れない。
しかし、加工すると、石目の通りにステップ(影の段)が発生するので、石目の方向がすぐにわかる。
尖頭器と石鏃を作ってみた結果、下呂石に比べて、サヌカイトは、石そのものが脆いこと。石目の層が薄く、接合度が弱い感じがして、下呂石は、石目の無い黒曜石寄り、サヌカイトは、粘板岩に近いような性質から、ステップが発生しやすく、薄く長く剥ぐ加工には向いていないような印象を持った。また、二上山と四国のサヌカイトは加工した感触が微妙に異り、サヌカイトの石目の正体は何であるかを知りたいと思っている。
これで「石目」を終わりにして、次は、下呂石の加工をまとめたい。
上の写真は、今回入手した四国のサヌカイトで、見えている面は、一部、剥離され、裏面も石目にそって割り取られており、はじめから石目がわかっている原石である。
入手した原石を大切に使うため、タガネを用いて、2枚に割る事ことにした。実は、タガネで敲くとどうなるかは、同じ条件で原石はどのように割れるかを見るため、変形の少ない工具として鋼鉄製のタガネと鉄のハンマーを使って実験している。黒曜石をこの方法で敲くと、タガネで敲いた箇所にヘルツの円錐が連続して出来ただけで、二つに割る事はできなかった。下呂石は、黒曜石より衝撃に弱く割れやすいため、剥片は取れたが大きく割ることは出来なかった。しかも、内部に亀裂が入り、後の剥離加工でその亀裂から破壊したという苦い経験があり、不安な部分はあった。
物は試しと、タガネを中央部に当て、石目の面に対して平行に、少しつ強めに敲いたところ、一発で、ものの見事に割れ、サヌカイトの石目の働きに感動した。
サヌカイトは表面に、冷えて固まる時にできた円形の窪みが、石目の方向に細長く潰れている事でわかるくらいで、破断面には全く見えず、水を着けても表れない。
しかし、加工すると、石目の通りにステップ(影の段)が発生するので、石目の方向がすぐにわかる。
尖頭器と石鏃を作ってみた結果、下呂石に比べて、サヌカイトは、石そのものが脆いこと。石目の層が薄く、接合度が弱い感じがして、下呂石は、石目の無い黒曜石寄り、サヌカイトは、粘板岩に近いような性質から、ステップが発生しやすく、薄く長く剥ぐ加工には向いていないような印象を持った。また、二上山と四国のサヌカイトは加工した感触が微妙に異り、サヌカイトの石目の正体は何であるかを知りたいと思っている。
これで「石目」を終わりにして、次は、下呂石の加工をまとめたい。
2011-02-13 10:24
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