白滝の黒い黒曜石 [石器作り]

 黒色で、重さ21㎏、長さ50㎝、幅20㎝、高さ25㎝の三角錐型の黒曜石が我が家にある。
 一昨年北海道に行ったとき、これなら敲けると思い、手に入れたものである。しかし、まだこれを敲く気にはなれないし、これからもならないかも知れない。 尚、白滝では小型の原石に入るが、乗用車に乗せることのできる限界と思いこれを選んだ。
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 10年ほど前、遠軽町の博物館を見学するまでは、黒曜石は黒が最高である。黒でなければならないの神話があり、黒曜石の石器は全て黒い物と思い込んでいた。しかし、展示してある石器に黒と梨肌も少し有ったが概ね茶色、何故黒ではないのだろうか、との思いをずっと引きずっていた。

 下の写真は、その後に敲いた白滝産の剥片である。(花十勝は敲いたことがない)
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 左から、黒色、黒茶混じり、茶色、花十勝である。色の組み合わせは、黒色のマグマと茶色のマグマあり、両者が混じりあって黒茶の中間が生まれたと想像している。なお、梨肌もあるが、この系統とは生まれ方が異なると考えて外した。
 敲いた3種類の感触
 まず、黒色は光沢と粘りがあり仕上がると実に綺麗な石器ができる。しかし黒くなればなるほど、大きな球顆が潜む確率が高い。厚い時ならば排除する手段もあるが、薄くなってから現れると対処の方法が無い。また、球顆が抜け落ちた穴は脆弱な部分となり、しかも、球顆を取り囲む周囲は、他に比して硬く、この部分から折損する危険をはらむ。写真の球顆の直径は約2㎝で、大型石器の仕上がりの厚さに近い。
 次に茶色の黒曜石は、黒に比べて柔らかく球顆はほとんど無いが、結合度が悪く白い線のような切れ目が見える石が多い。
 これに対して、中間の黒茶の石は、ある程度、硬く粘りもあり球顆の心配も少なく大型の石器を作る事に最も適している。ただし、黒い輪郭がはっきりしている石は、黒色と茶の硬さの違いが大きくこれが障害となって上手く剥げない。
 など々、 敲いた経験から、これが、大型の石器は茶色が圧倒的に多い理由ではないかと考えており、我が家の、黒い黒曜石も敲く気になれない理由であるが、どうでしょうか?

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